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アメリカの馬雑誌「The Horse」の記事をご紹介します。
今回のテーマは、「馬での暑熱対策」です。健康な馬の管理の参考にしてください。

馬での暑熱対策

夏の暑さから馬をいかに守るか考えよう

厩舎:空気の流れと給水器

厩舎から熱を逃がすためには、空気の動きを維持することが重要です。
熱は上昇するものなので、天井の通気口や丸屋根の通風孔は暑い空気を外に逃がし、排気ファンはその効果を増幅します。ドアや窓を開けることで、新鮮な外気を室内に入れることができます。入ってきた空気は暖められ、上昇し、そして新しい空気を引き込みます。
また、空調は虫の管理にも重要な役割を果たします。
ハエは風の中を飛ぶのが苦手なため、扇風機で空気の流れをつくると、ハエがうまく飛べなくなり馬の体に止まりづらくなります。

馬は常にきれいで新鮮な水を飲める必要があります。
習慣的に乾草や穀物を水の中に漬ける馬がいるため、定期的に給水器をチェックしなければなりません。
馬が鼻でペダルを押して水を出すウォーターカップでは、ペダルの下にゴミが詰まっていないことも確かめる必要があります。
水桶等給水器を確認することで、飲水量をモニターでき十分に飲めていないときには早く気付くことができます。(馬の飲水量は15-40L/日)

トレーニングとクールダウン

トレーニング中の馬は人間よりも2-10倍早く暑熱ストレスを受けるという報告があります。
馬は体が大きく、人間と比べて運動時に活動する筋肉の割合が高く、その筋肉は使っている間に大量の熱を発します。
馬の体からは蒸発するよりも多くの発汗が起こるため、人のアスリートの体ほど気化熱での冷却が期待できません。

このことから暑熱ストレスを避けるために、早朝や夕方の涼しい時間帯に運動をするべきであり、これらの時間にできないのであれば、45分の運動を20-25分にするといったような短時間のトレーニングにすることと、呼吸数をモニターすることが推奨されます。
馬の呼吸が苦しそうだったり、鼻翼を広げて呼吸したりしているようなら、すぐ立ち止まらせず、息が落ち着くまで常歩で歩かせましょう。
10分も歩けばどんな馬でも呼吸が正常に戻るはずですが、それでも息を切らしたりフーフーいっていたりするならば、何か身体的な問題が潜んでいないか獣医師にチェックしてもらうのがよいでしょう。

運動後は常歩でのクールダウンを始めて、馬の呼吸数が改善するまで筋肉を柔軟にするのを助けましょう。
その後、馬具をはずし、はじめに首と胸のあたりを水で冷やします。
ちょうど首にある頸静脈を冷やすことで、冷えた血液が心臓に還り、体を内側から冷やします。そしで体全体を水で冷やし、汗こきをしてまた水で冷やします。
こうすると、ただ水で冷やすよりも、熱は早く取り去れます。
体表に水が存在し続けると、すぐに熱を持ってしまうため、冷却効果は低下します。

十分に水冷したのに呼吸が落ちつかない馬には氷で冷やしたタオルを馬の背中にかけたり、氷水で濡らしたタオルで拭いてあげたりしてもいいでしょう。
また、クッシング病の高齢馬のような毛が長く完全に生え換わっていない馬では、冷却と回復が特に難しい可能性があります。
そのような馬では、春と夏に毛刈りをすると、クールダウンがしやすくなるはずです。

真夏の注意点

夏の暑さがピークに達する前に、獣医師に一般状態検査をしてもらうのがよいでしょう。
馬で一番多い暑さに関する問題は、ハードワークによる疲労であり、同時に水分摂取不足や発汗によって電解質を喪失します。
ほとんどの馬はこれらの問題を自分で解決できるため、電解質入りの鉱塩を馬に与えれば必要な分を自分で摂取します。
または、電解質入りの水桶と新鮮な普通の水桶を吊るしておけば、必要な方を飲むでしょう。

しかし、競技会においては、馬は周囲へ注意が散漫し、混乱して必要な水分量を飲まないことがあります。
普段と違う味の水を選り好みする馬もいます。競技会場の水が気に入らない場合は、いつもの厩舎から水を持っていくか、事前に添加物(電解質かカップ一杯の糖蜜やハチミツ等)を入れた水に慣らしておいて競技会場でも同じ添加物を水に混ぜて飲ませるとよいでしょう。

放牧のコツ

夏の間でも放牧地に新鮮な水と日陰があれば馬にとっては問題ないのですが、特に水は十分な量が必要で、容易に飲めるようにしなければなりません。
日常的に水桶をきれいにし、1~2日おきに水を捨ててきれい洗ってから入れ直しましょう。溜まっている水は蚊の繁殖地となる可能性があります。
また、馬房ごとに鉱塩を置けないならば、放牧地の自由に行き来できる場所にビタミンとミネラルの入った鉱塩を設置してください。

日陰は直射日光を避けるために非常に大切です。
また、木の他にもシェルター(図1・2)は馬にとってさまざまなものから逃れるのに役立ちます。多くの馬は風通しの良い木陰で休むことを好み、そこはシェルターよりも好まれるようです。
そして雷や土砂降りでない限りは、雨の中でも馬にとって外にいることは十分快適のようです。

馬が日陰にいないときには、UV保護機能のついたフライメッシュの馬着が暑さや虫に食われるのを防ぐのと同じく日光から守るのにも効果的です。
また、夏のハエは馬の目を傷つける可能性もあるのでフライマスクもお勧めです。
マスクがあれば、砂場で寝転がるのが好きな馬が目を怪我するのも防げます。光もブロックできるので、ピントホースの目のような色素がなく光線感受性の強い部位の日焼けを防ぐのにも有用です。ロングノーズマスクは鼻の日焼けも防ぐことができるでしょう。

日陰が少ない、または全くないような場所では、1日の放牧時間を4時間以内に制限してください。
早朝から昼ごろまでと、その後17時から2、3時間放牧するのがよいでしょう。
本当に暑い日に日陰のない放牧場に出すときは、脱水のチェックを1-2回してください。
皮膚を引っ張ってはなしたときに元に戻るのが早いか遅いか(遅い場合は脱水の兆候)。歯茎が健康なピンク色で触って湿っているか、青白くてべたついていないか。または呼吸は正常か。成馬の正常な呼吸数は8-20 回/分ですが、発汗によって熱を発散していない馬では呼吸が早くなり、息を吐き出すことで冷却しようとします。
もし馬が脱水の症状を示したならば、日陰に連れてきて、体を水で濡らし、水気を汗こきでとばすことを繰り返して冷却してください。馬の呼吸が落ち着いてからまた放牧に出しましょう。

遮光

図1:遮光シェルター

ミスト

図2:シェルターに設置したミスト

これだけは覚えておきましょう

どんな馬でも暑い中で健康かつ安全に管理するのは大変なことですが、知識をつけること、注意深く観察すること、そして馬の不快感や苦痛に迅速に対応するということはできます。馬の変化に気づいて早めに対応しましょう。

参考Website: “The Horse” Help your horse beat the heat

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